中小不動産業における事業展開の方向性について

中小不動産業における事業展開の方向性について
中小不動産業の今後の事業展開のあり方
持続可能な経営を支える本質的な課題として、取扱い物件の確保等も当然重要であるが、より本質的な課題として、持続可能な経営を支えるための中小不動産業としての経営のプラットフォーム(経営基盤)の確立が必要である。
事業展開における方向性
事業展開における方向性としては、①顧客密着の強化、②地域密着の強化、③新たな市場へのアプローチという3点を挙げている。
①顧客密着の強化
今後、人口が減少する中で、不動産業者の事業機会も総体として減少していくことが予想されており、媒介業務に関連したサービスによる一層の収益の確保が必要となってくる。さらに、消費者のニーズが多様化している中で、媒介業務の周辺分野のサービスにも不動産業が積極的にかかわっていくことが必要である。これら媒介業務に関与する税理士、司法書士、不動産鑑定士、金融機関、リフォーム業者、インスペクション(建物検査)業者など様々な専門家とのネットワークを構築し、連携・コーディネートして、不動産全体をマネジメントする役割が不動産業に求められている。特に中古住宅流通においては媒介業務に至るまでの周辺業務や媒介後の業務の重要性が増しており、宅地建物取引業者のコンサルティング能力を活かした「顧客密着の強化」という方向性が考えられる。
例:サービス毎の費用などを明示して、顧客にとことん付き合うコンサルティングサービスを提供
②地域密着の強化
人口減少・空家率の上昇などの地域の不動産を取り巻く状況が大きく変わりつつある中、中小不動産業の強みを活かし、短期的な収益機会の追求だけでなく、自らの営業基盤である地域の魅力、活力を高めるため、長期的な視野から一定の役割を不動産業が担うことが新たなビジネスの展開につながると考えられる。
例:地域コミュニティの活動支援、物件売買された方への確定申告の手伝い(税務相談)
③新たな市場へのアプローチ(成長分野開拓、ニッチ(隙間)市場進出)
高齢者人口の増加による高齢者向け住宅の需要の増加や、市場規模はそれ程大きくないものの、特定のニーズに対応し、今後も底堅い需要が見込める市場(=ニッチ(隙間)市場)は顕在であり、全体のパイが縮小する中で中小不動産業が生き抜いていく上では、中小不動産業者ならではの機動力を生かし、新たに生まれつつある分野への挑戦が必要である。
例:リニュアル仲介、相続に関する仲介、高齢者向け賃貸住宅の仲介
不動産業をめぐる社会経済環境
(1)人口・世帯構造の変化
  1)総人口の減少と高齢者の増加、主たる住宅取得層(30代、40代)の減少
  2)今後の総世帯数の減少と高齢者世帯・単身世帯の増加
  3)国内人口移動数の減少と人口の地域的偏在の進行
  4)在住外国人、外国人留学生の増加
(2)社会経済情勢の変化
  1)所得の減少、厳しい雇用情勢
  2)地価の低下、築年数による物件価格の下落
  3)環境対策、環境負荷の低減
(3)住宅市場の状況
  1)空き家の増加(相続の発生地と相続人の居住地の不一致)
  2)新設住宅着工戸数の減少
  3)既存住宅流通量の堅調な推移
(4)消費者の変化
  1)インターネットを利用して物件を見つける消費者の増加
  2)消費者の価値観の増加(新規住宅購入にあたって既存住宅も探す消費者の増加)
(5)東日本大震災の影響
  1)東日本大震災の復興需要、地盤の頑健性等が不動産価値に影響、耐震性に対する意識の強まり
(6)住宅市場整備に関する国の施策
  1)既存住宅流通市場やリフォーム市場に対する国の支援制度や取組みが充実している
中小不動産業の状況
(1)宅地建物取引業の状況
  1)従事者数4人以下の宅地建物取引業者が80%、資本金2000万円未満の宅地建物取引業者が80%
  2)宅地建物取引業者の毎年の新規免許取得件数と廃業件数が同程度
(2)中小不動産業の強み
  1)地域密着しやすい
  2)きめ細やかなサービスの提供
  3)事業コストの安さ
(3)中小不動産業の弱み
  1)事業の多角化が難しい
  2)情報量、物件量が乏しい
  3)後継者も含めた人材確保が難しい、教育研修を行うための体制がとりづらい
  4)情報化への対応が難しい



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