『会社の資産形成 成功の法則』3/27出版と出版記念イベントのお知らせ

2021年3月27日(土)、弊社代表税理士 三反田純一郎が中央経済社様より書籍を出版いたします。タイトルは『会社の資産形成 成功の法則ー「見えない」資産を築く最強の戦略』。

本書籍では企業が継続して繁栄するために、目に見える資産(金融資産、物的資産など)と目に見えない資産(従業員や理念など)について、どのような資産をどのような理由でどれくらい所有するとよいのかについて語られています。

 

今回は三反田が本書籍を執筆しようと考えたきっかけや背景について社内インタビューを行ないました。またこの記事の最後には書籍出版記念企画の情報もございますのでぜひご覧ください。

 

著者 代表税理士 三反田純一郎のプロフィール

 

早稲田大学商学部を卒業後、大手石油会社に入社しGS(ガソリンスタンド)の戦略的不動産開発や経営企画に従事したのち、税理士資格を取得。税理士法人M&Tを設立し15年になる。

現在は一部上場企業、中堅企業、中小企業に対し経営戦略の立案・M&A、組織再編など幅広いアドバイザリー業務を行っている。

 

この本を出版しようと考えたきっかけは事業承継の2025年問題

 

税理士として中小企業経営者の方々を間近でサポートしている中で、中小企業の経営問題が複雑かつ課題が山積みになっていることは日々感じていました。

特に、大企業と比べて資本力が乏しい中小企業の武器となる人的資産や組織力が育っていないことは非常に大きな問題だと認識していました。

そんな中、2017年に経済産業省・中小企業庁から衝撃的なデータが発表されたのです。これが「現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる」可能性があるという2025年問題。

自分自身が中小企業を間近でサポートしていたため、この2025年問題について肌感覚では違和感はありませんでした。しかし国がこのデータを発表したことがとても衝撃的でした。国がこのデータを発表したということは、最低でもこの通りになるのではという考えが自分の中で確信に変わりました。

 

この2025年問題のデータが発表された以降は、中小企業の経営問題に対して自ら様々な分析を行っていきました。中小企業の約60%が赤字企業であること、働く人のエンゲージメントが低いこと、企業の開業・廃業の新陳代謝が行われていないことなど、様々な問題が次々に分かってきたのです。

中でも強烈な課題が、経済的・精神的な面で資産不足を不安視するその企業を継ぐ後継者が見つからないこと。つまり後継者が継ぎたくない企業が非常に多いのです。中小企業ではこのような面で魅力的な資産が枯渇している現実を再認識しました。

 

実はこの書籍は前倒しで出版することにした

 

2017年に2025年問題を強く認識してからは、現在企業で目に見え起こっている問題とこれから起こる問題のすり合わせの期間を長く過ごしました。そして様々な分析をしていく中で「既存の税理士業務の枠内では後継者育成業務は難しい」という結論に。

そんな時ふと海外に目を向けると、経営者とアドバイザーが同じ目線で目的を共有する「ファミリーオフィス(※注1)」というサービスに出会い、ここから学ぼうと決意しました。ファミリーオフィスについてさらに深く追求するため、ファミリーオフィスが一般的になっているスイスやシンガポールへ足を運び日々勉強を重ねていたのです。

 

そして2020年に突然猛威を震い始めた新型コロナウイルスによって状況が変わりました。実は今回執筆したこの書籍は、2025年までに出版しようと考えていたのですが、実際は2020年8月から執筆をスタートし2021年3月末に出版することに。

なぜなら新型コロナウィルスの影響が中小企業にも広がり、クライアントの経営者の方々と対話をしていく中で「もう辞めるわ」「事業が持たないかもしれない」という話を聞く機会が増えたからです。こうした経営者が増えてしまえば、2025年問題は考えていたよりも先に起こってしまうという危機感が芽生えたためです。その結果、この書籍の執筆をペースアップしこのタイミングで出版することにしたのです。

 

(※注1)ファミリーオフィスサービスとは

海外で古くからある組織のことで、スイス・シンガポールの富裕層の中では一般的なサービスです。特徴としては闇雲に資産を大きくすることを目的とせず、世代間の資産を継承・繁栄させていくことを目的としています。このファミリーオフィスの考え方は海外では注目を集めていますが、日本ではまだ認知度が高いとは言えません。

世界から注目されているファミリーオフィスというサービスですが、このサービスを提供するにはアドバイザーにも高度な専門知識が必要です。税や会計、金融、法律などの専門知識はもちろん、ファミリービジネス特有の考え方を理解していること、代々資産を継承していくことのむずかしさなどがその一例です。

 

なぜファミリーオフィスから学ぼうと考えたのか

 

元々、いまの税理士業の中で金融機関との接点が多かったことと、グループ会社で資産形成のアドバイスをしていることから自然と繋がっていきました。

 

私たちは経営者の方々にアドバイスをする立場として公平中立でありたいと考えています。海外のファミリーオフィスを研究するために、前述の通り実際にスイスやシンガポールにも足を運びました。スイスではファミリーオフィスのアドバイザーから直接話を聞き、「アドバイザーの仕事はクライアントが代々守っている資産を引き継いでいくことが仕事だ」という話を聞きました。このように海外ではクライアントとアドバイザーの目標や利害関係が一致しているため、圧倒的な信頼関係が構築されているのだと気づかされました。このスイスでの実体験を通して海外のファミリーオフィスから学べることは非常に多いという結論に至ったのです。

 

2025年問題に対してファミリーオフィスサービスをどう活かしていくのか

 

2025年問題で「日本には後継者が継ぎたくない企業が非常に多い」という強烈な課題が可視化されました。事業承継で低迷していく国が、果たして将来存続するのか?という疑問も残ります。

この問題を解決するには経営者の意識改革・現状把握が急務だと言えるでしょう。いま、日本の経営者の多くは2025年問題に対して「何もしない」という、リスクを取らないようでいて、一番リスクが高い選択をしています。問題が目の前にきた時に対処し始めたのでは遅いのです。

 

2025年問題に対して自社の問題を先送りにせず、適切に行動できる企業がこの先繁栄し続けられるのではないでしょうか。その伴走者としてファミリーオフィスに詳しいアドバイザーを選択することは、経営者にとって非常に有効な打ち手となると考えています。

 

ファミリーオフィスに学んだ、書籍の2大テーマ「見える資産、見えない資産」

 

海外では目に見える資産や物的資産はある程度実現できていて、今のトレンドは目に見えない資産形成です。具体的には人的な資産形成を行って行こうというフェーズに突入しています。目に見えない資産を形成していけば、目に見える資産は自ずと形成されるというのも海外のファミリーオフィスの考え方です。

一方日本国内に目を向けると、人的な資産形成はむしろコストと捉えている企業も多く存在します。これは結果的に見える資産を蓄えられない原因にも。いま、見える資産はフレームワークに沿っていけばある程度蓄えていけるもの。しかしこの「見えない資産」の形成は難易度が高い上に課題だと認識されることも少なく、対策をしていない企業が多いのです。

 

企業の資産形成には目に見える資産を蓄えつつ、目に見えない資産も形成してくことが非常に重要であり、どちらの資産形成も一朝一夕にはいきません。これらの資産について今回の書籍の中で余すことなくお伝えしています。

 

漠然とした不安がある経営者にこそ手に取っていただきたい本

 

ここまでネガティブな日本の現状もお話してきましたが、日本を引っ張っている経営者の方々のマインドセットを変えることができれば、そこまで悲観的に考える必要もないと考えています。経営者が気付きを得て良い方向へ変化できれば日本も良い方向へ向かって行けるはずです。

 

2025年問題を始めとして、様々な経営問題が山積みになっている中、まずは経営者自身が現状に気づくことが大切です。そして経営者が規模は小さくても崇高なビジョンを掲げ、こんな企業にしたい!と経営目標を立てることが非常に重要です。

この本はいま漠然とした不安があるけれど、どう対処すれば良いか分からないという経営者の方にぜひ手に取っていただきたいです。経営者の方々が掲げるビジョンを達成するためにはどのような方法があり、成功を共に目指すアドバイザーはどのような視点で選べば良いのか、そのような内容もこの本を通してお伝えしています。

 

また経営者の方々の他に、アドバイザーとして活躍されている方にも手に取っていただきたいです。繰り返しになりますが、日本では事業承継が大きな課題になっており、後継者を支援できるアドバイザーが不足しています。事業承継に関わるアドバイザーに必要なスキルは広い視野を持って課題解決提案ができ、顧客本位で答えを導いていける人。そのようなアドバイザーが日本では圧倒的に不足しているのです。

世界がどんどん進んでいく中で、日本の現状は周回遅れと言っても言い過ぎではありません。海外の経営者・アドバイザーはもう見えない資産が大切だと気付きファミリービジネスの研究も進んでいます。日本のアドバイザーも経営者が大切にしていくべきものに目線を合わせ、同じ目標に向かって進んでいかなければなりません。

この先経営者にとってどんなアドバイスが必要なのか、そんなこともこの書籍を通してお伝えしています。

 

今後、代表税理士三反田が目指すビジョン

 

これまで通り税理士業務も大切にしながら、今後はアドバイザー不足解消や・事業承継の後継者問題の解消をするサポートにも力を入れていきたいと考えています。

事業・金融資産・不動産など目に見える資産形成と、人材・組織風土などの目に見えない資産形成、この両輪のサポートは、税理士事務所としてはチャレンジングな選択だと思われるかもしれませんが、元々は中小企業の役に立ちたくて税理士になったのです。ご存知の通り日本は中小企業の国。その課題解決で中小企業のお役に立つことが使命だと考えています。

 

書籍『会社の資産形成 成功の法則』の詳細

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。この書籍をどんな想いで執筆したのか、少しでもお伝えできていれば嬉しく思います。

この書籍の詳細は以下の通りです。

タイトル:会社の資産形成 成功の法則ー「見えない」資産を築く最強の戦略
発売日:2021年3月27日(土)
全国の書店、amazonなどでご購入いただけます。

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▶︎会社の資産形成 成功の法則ー「見えない」資産を築く最強の戦略

 

出版記念企画も後日お知らせします

 

この書籍の2大テーマである「目に見える資産、目に見えない資産」に関連する企画を現在計画しております。詳細が決まり次第、こちらの税理士法人M&Tブログにて告知いたしますのでご興味のある方はブログのチェックをお願いいたします。

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▶︎https://mandt-tax.or.jp/familybusinessservice

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